回想
かいそう
名詞動詞-サ変動詞-他動詞頻度ランク #9733 · 青空 754 例
標準
recollection
文例 · 用例
フォルムのない競技で以て、徒らに勝たうとばかりしてゐるやうなもので、仮令勝てたにしても、競技そのものを楽しむ気持はなく、勝つた時に熱病的に嬉しいだけで、十年の後に回想したらば、なんといふこともなかつたと、呆然としなければならない始末だらう。
— 中原中也 『撫でられた象』 青空文庫
その今いふ記録慾――言換れば「回想の時間」。
— 中原中也 『詩に関する話』 青空文庫
すべて回想的に努力されるのは人のヴァニティのためではないか?
— 中原中也 『詩に関する話』 青空文庫
由来人類史は「背に腹は換へられぬ」歴史で、取残された「消費」を回想させるのは芸術である。
— 中原中也 『芸術論覚え書』 青空文庫
而も下りたとして、私はその埃りの道に困るだけのことになるかも知れない、――回想的な気持でなんかなしに暮すことこそ、濃い回想を抱くことにもなるのであらうから、なまなか昔ゐた所をも一度なんと思つて下車することは多分愚劣であらうが、下車するであらう……。
— 〔私が貧乏で〕 『夏』 青空文庫
ベルクソンは、薔薇の匂を嗅いで過去を回想する場合に、薔薇の匂が与えられてそれによって過去のことが連想されるのではない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
過去の回想を薔薇の匂のうちに嗅ぐのであるといっている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
そうして薔薇の匂という一般的なものと回想という特殊なものとの連合によって体験を説明するのは、多くの国語に共通なアルファベットの幾字かを並べて或る一定の国語の有する特殊な音を出そうとするようなものであるといっている{3}。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫