潰走
かいそう
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
rout
文例 · 用例
このあたりから、幕軍全く潰走して、大阪へ逃げるものあり、紀州に落ちるものあり、桑名藩士等は大和から本国へ直接逃げて行った。
— 菊池寛 『鳥羽伏見の戦』 青空文庫
此の手切文書を受けとった氏政は、是を地に擲って弟の氏照に向い、一片の文書で天下の北条を恫喝するとは片腹痛い、兵力で来るなら平の維盛の二の舞で、秀吉など水鳥の羽音を聞いただけで潰走するだろうと豪語したと云う。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
義貞は、途中尊氏の軍を破り、足柄箱根に尊氏、直義と戦つたが、官軍の一将が俄かに賊軍に応じたため、竹ノ下に大敗して潰走するに至つた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
テゲアの地、敵に攻められた時、その王女ステロペ、ヘラクレスの訓により、自ら後ろ向いてメズサの前髪を敵に向って城壁上に三度さし上げると、敵極めて怖れ、ことごとく潰走したという。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
この時期の評論が、どのように当時の世界革命文学の理論の段階を反映し、日本の独自な潰走の情熱とたたかっているかということについての研究は、極めて精密にされる必要がある。
— ――宮本顕治の文芸評論について―― 『巖の花』 青空文庫
その社会主義的リアリズムの創作方法の理論は、不幸にして日本につたえられた時期が、そういうプロレタリア芸術運動の潰走期であったために、忽ち、これまでの日本プロレタリア芸術運動の方針を否定する便宜な口実として逆用された。
— 宮本百合子 『解説(『風知草』)』 青空文庫
前隊が行き過ぎたころ、伏兵が後隊との間に現はれ、大尉の憤戰死鬪は敵を潰走せしめたが、終にそこに戰死をされたのだつた。
— 長谷川時雨 『日本橋あたり』 青空文庫
そして、猛烈な火砲戦に、算を乱し、潰走する伊軍を追うて、まもなく、その両市を占領することができた。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫