資性
しせい
名詞
標準
one's nature
文例 · 用例
資性|穎慧温和、孝心深くましまして、父君の病みたまえる間、三歳に亘りて昼夜|膝下を離れたまわず、薨れさせたもうに及びては、思慕の情、悲哀の涙、絶ゆる間もなくて、身も細々と瘠せ細りたまいぬ。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
然し彼は資性篤実で又能く物に堪え得る人物であったから、この苦悩の為めに校長の職務を怠るようなことは為ない。
— 国木田独歩 『富岡先生』 青空文庫
然れどもわれは寧ろ十返舎の為に泣ざるを得ざる悲痛あり、彼の如き豪逸なる資性を以て、彼の如きゼヌインのウイットを以て、而して彼の如くに無無無の陋巷に迷ひ、無無無の奇語を吐き、無無無の文字を弄して、遂に無無無の代表者となつて終らしめたるもの、抑も時代の罪にあらずして何ぞや。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
それに続いて生年月日やら生処やら卒業の学校やらが書立てられ、さて、M氏に嫁するに及んで、貞淑にして内助の功少からず云々……とあり、それから今度は奇妙なことに、一転して御亭主たるM氏自身の伝記に変って、彼の経歴から、資性温厚だとか、人以て聖人君子と為すとか、弔辞の中の文句に似た言葉が並んでいる。
— 中島敦 『狼疾記』 青空文庫
そして人間としての資性も高いものであるとは見えなかった。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
私自らの資性にとってそれが容易であり、成績においてもあるいは実り多いかもしれないのである。
— 倉田百三 『青春の息の痕』 青空文庫
次にわたくしは榛軒の資性に関して二三の追記を做さうとおもふ。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
その二百七十八 わたくしは榛軒の資性を語つて、既に其寡欲と多く文事に意を用ゐざることとを挙げた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫