詩聖
しせい
名詞
標準
great poet
文例 · 用例
T君は、各地を轉戰しながら、此處は李太白の醉つぱらつたところ、此處は杜甫の哭いたところと唐詩選に照らし合せて、戰ふ心も豐かになり、さながら詩聖たちと共に且つ醉ひ且つ哭く氣持だと、書いて寄こしました。
— 太宰治 『このごろ』 青空文庫
……何でもそのゲーテの詩集が出ました千七百八十年の夏でしたか秋でしたかに、詩聖のシルレルが、その第一版を買って読んでいる中に、「コンナ下らない詩集なんかモウ読んでやらないぞ」 てんで地面にタタキ付けた。
— 夢野久作 『悪魔祈祷書』 青空文庫
愛郷心は愛国心の基なり、とドイツの詩聖は言えり。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
西洋にも詩聖ダンテまで捲き添えを食わせたゲルフ党とギベリン党の内乱は全く犬の喧嘩に基づいたというが、噺が長過ぎるからやめとする。
— 犬に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
或人(稲城子)曰く、詩聖ホーマーの如きも単に美を愛せりとするか、美にして善なるものを愛せしにあらざるか。
— 正岡子規 『人々に答ふ』 青空文庫
詩聖ゲーテはその有名な『西東詩集』の中で、人も知るごとく、ペルシア語の原文さえも引用して、古きイランの詩人たちを推称した。
— RUBA'IYAT 『ルバイヤート』 青空文庫
いかなる詩聖の言葉のかげにも又いかばかり偉大な音楽家の韻律のかげにもたとえ表面は舞い狂う――笑いさざめく華かさがあってもその見えない影にひそむ尊い悲しみが人の心を動かすものであろう。
— 宮本百合子 『千世子(二)』 青空文庫
大窪詩仏が『詩聖堂詩集』巻の十に「雪後鶯谷小集得庚韻」と題せるもの南畆の家のことなるべし。
— 永井荷風 『礫川記』 青空文庫