哀傷
あいしょう
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
sorrow
文例 · 用例
月蝕皆既萩原朔太郎みなそこに魚の哀傷、われに涙のいちじるく、きみはきみとて、ましろき乳房をぬらさむとする。
— 萩原朔太郎 『月蝕皆既』 青空文庫
これらの歌曲は、そのもつと前、欧洲大戦前後の好況時代に流行した、外国オペラの明朗な翻訳曲に比すれば、遥かに憂鬱で哀傷的のものであつたが、音楽として尚甚だ上品のものであり、その精神には健全で浪漫的な青春のリリシズムが情操して居た。
— 萩原朔太郎 『流行歌曲について』 青空文庫
この股旅小唄の主旋律は、概して皆尺八的、浪花節的哀傷を帯びてるもので、日本人の民族的リリシズムとも言ふべき、旅への放浪情操をよく表現して居た。
— 萩原朔太郎 『流行歌曲について』 青空文庫
遺骨を拾う人と対照して、早春の淡い哀傷がある。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
凩に匂ひやつけし帰り花 冬の北風が吹きすさんで庭の隅に、侘しい枯木の枝に咲いてる帰り花を見て、心のよるべない果敢なさと寂しさとを、しみじみ哀傷深く感じたのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
怒りて書物を投げすてひとり校庭の草に寢ころび居しがなにものの哀傷ぞはるかに彼の青きを飛び去り天日直射して 熱く帽子の庇に照りぬ。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
その一つの心根が、遠く旅に出た宿屋の部屋で、情なき女中に銀紙の洋盃を作つてやり、飢ゑて貧しい都會の空で、故郷を戀ふる哀傷の詩を歌はせ、そして文明社會における君自身の裸體を羞かしく感じさせた。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に與ふ』 青空文庫
即ち「竹とその哀傷」「雲雀料理」最も古く、「悲しい月夜」之に次ぎ、「くさつた蛤」「さびしい情慾」等は大抵同年代の作である。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
作例 · 標準
不慮の事故で亡くなった若き才能に対し、各界から深い哀傷の言葉が寄せられた。
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彼は三十年連れ添った伴侶を亡くし、今もなお哀傷の淵から抜け出せずにいる。
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追悼式では、参列者全員が黙祷を捧げ、志半ばで倒れた犠牲者への哀傷の意を表した。
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その小説の通奏低音となっているのは、二度と戻らない輝かしい青春時代への哀傷である。
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