哀惜
あいせき
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
grief
文例 · 用例
いいえ、哀惜して居ります。
— 太宰治 『古典風』 青空文庫
一面から云えば氏はあまり女性に哀惜を感ぜず、男女間の痴情をひどく面倒がることに於て、まったく珍らしい程の性格だと云えましょう。
— ――親の前で祈祷 『岡本一平論』 青空文庫
痛いような嫉妬が、多鶴子の白い胸のホクロひとつにまで哀惜を覚える心とごっちゃになって、豹一は身動きもせず、じっとスクリーンを見つめていた。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
二十七の若盛りで亡くなったので、冒氏は哀惜のあまり、自分の手でこの女の思い出を書き残しているが、それによると、小苑は自分の影を見ることが好きで、月夜には、ああか、こうかといろんな立姿を月あかりにうつして、興に入っていたものだそうだ。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
新蔵といい、菊之助といい、いずれも秀でて実らざるもの、殊に哀惜の感が深い。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
三月の諸文芸時評は同志小林の小説「地区の人々」の批評とともに何らかの形で、同志小林が殺されたことについての哀惜を表明していた。
— ――四月の二三の作品―― 『同志小林の業績の評価によせて』 青空文庫
みずから山河巨大な中国に生れ合わした人民の一人として、中国の民衆生活を衷心から愛し、おかれている苦渋の生活を哀惜し、その未来の運命の発展に対して限りない関心をもっている。
— 宮本百合子 『春桃』 青空文庫
されば今僅にその悌を存する以上の見附と御門とも、いつ全く失われつくすか、滅びゆく江戸の俤を偲ぶ時、吾儕はいとど哀惜の情に堪えぬものがある。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
作例 · 標準
日本文学界の巨星がまた一人去り、深い哀惜の念に堪えない。
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長年地域に貢献してきた氏の突然の訃報に、多くの市民が哀惜の念を禁じ得なかった。
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恩師の葬儀では、教え子の一人が哀惜を込めた弔辞を読み上げた。
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若くして散ったその豊かな才能を誰もが哀惜した。
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