往事
おうじ
名詞
標準
the past
文例 · 用例
おもへば往事は皆非なり、今はた更に何をか求めん。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
會つたところで、往事、黒田清輝先生の處からその「小督」のデッサンを借りて來て互に感奮して話し合つたやうな氣分は到底|釀し出されぬのであらう。
— 木下杢太郎 『すかんぽ』 青空文庫
悲しいかな、我も亦た浮萍を追ひ迷雲を尋ねて、この夕|徒らに往事を追懐するの身となれり。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
しばらくありて老婆は酒を暖め来りて、飲まずと言ふ我に一杯を強ひ、これより談話一転して我幻境の往事に入れり。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
斯る無邪気の労力をもて我はわが胸中に蟠りたる不平を抑へつ、疲れて帰る夜の麦飯の味、今に忘れず、老畸人わが往事を説きて大に笑ふ時、われは頭を垂れて冥想す。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
言ふまでもなく汪信民や、朱雲や、李紳の往事から拾つて来て戒めたのだ。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
「あれは往事で拙者ももう当年八十四歳になりますでな。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
故にその事実の已に往事に属したるを嫌はず。
— 正岡子規 『従軍紀事』 青空文庫