旧時
きゅうじ
名詞副詞
標準
ancient times
文例 · 用例
その個性は絶対的のものであり、その語彙は彼女の時代のそれであり、形式は旧時代のものを大いに採用してゐる。
— 中原中也 『デボルド―※ルモオル』 青空文庫
私はどこまで旧時代の底に沈ませられて行くか多少の不安と同時に、これより落着きようもない静な気分に魅せられて、傍で茹で卵など剥いていた。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
旧時代のハイカラ岸田吟香の洋品店へ、Sちゃんが象印の歯みがきを買いに行ったら、どう聞き違えたものか、おかしなゴム製の袋を小僧がにやにやしながら持ち出したと言って、ひどくおかしがって話したことを思い出す。
— 寺田寅彦 『銀座アルプス』 青空文庫
この二人の憎まれ役は、おそらく見ようによってはもっとも善良なる旧時代の残存者である。
— 寺田寅彦 『映画雑感(2)』 青空文庫
主人公の「野性的好男子」もわれらのような旧時代のものにはどうもあまり好感の持てないタイプである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(4)』 青空文庫
無境漂蕩定まり無きを云ふ歟、或は曰く、京に在つて夢みる時は却て大阪を夢むといふの意にして、夢魂多くは異境に飛び旧時に還るを云へるなりと。
— 幸田露伴 『東西伊呂波短歌評釈』 青空文庫
少婦も出で来り、当時の主人なる無口男も席に進みて、或は旧時の田花の今は已に寡婦になりしを語り、或は近家の興廃浮沈に説き及び、或は我が棲むところを問ひなどしつ、この夜の興味は抹すべからざる我生涯の幻夢なるべし。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
されば妾もこの人をば母とも思いて万事|隔てなく交わりければ、出獄の後も忘るる能わず、同女が藤堂伯爵邸の老女となりて、東京に来りし時、妾は直ちに訪れて旧時を語り合い、何とか報恩の道もがなと、千々に心を砕きし後、同女の次女を養い取りて聊か学芸を授けやりぬ。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
作例 · 標準
旧時、この辺りは鬱蒼とした森だったらしい。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
祖母は、旧時の思い出を懐かしそうに語った。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
文献によると、旧時の人々は自然信仰に篤かったようだ。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite