晦渋
かいじゅう
形容動詞名詞
標準
ambiguous
文例 · 用例
しかしルクレチウスは彼の知れる限りを記述するに当たって、意識的にことさらに言語を晦渋にしているものとは思われない。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
文章と科学「甲某の論文は内容はいいが文章が下手で晦渋でよくわからない」というような批評を耳にすることがしばしばある。
— 寺田寅彦 『科学と文学』 青空文庫
頭脳が透明であるのに母国語で書いた文章が晦渋をきわめているという場合は、よほどな特例であろうと思われるのである。
— 寺田寅彦 『科学と文学』 青空文庫
人間は、めしを食べなければ死ぬから、そのために働いて、めしを食べなければならぬ、という言葉ほど自分にとって難解で晦渋で、そうして脅迫めいた響きを感じさせる言葉は、無かったのです。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
彼等は強いて詩語を晦渋し、意味を不分明の中に失わせて、自ら象徴だと信じていた。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
ところで、めくら草紙だが、晦渋ではあるけれども、一つの頂点、傑作の相貌を具えていた。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
鏡花世界なる秘境に到達するためには先ず、その「表現の晦渋」という難関を突破しなければならない。
— 中島敦 『鏡花氏の文章』 青空文庫
実際、氏の表現は奇峭であり、晦渋である。
— 中島敦 『鏡花氏の文章』 青空文庫