鼻孔
びこう
名詞
標準
nostril
文例 · 用例
鼻孔に吸いこまれる凍った空気は、寒いという感覚を通り越して痛かった。
— 黒島伝治 『国境』 青空文庫
鼻孔から、喉頭が、マラソン競走をしたあとのように、乾燥し、硬ばりついている。
— 黒島伝治 『渦巻ける烏の群』 青空文庫
そして脂肪や、焦げパンや、腐った漬物の悪臭が、また新しく皆の鼻孔を刺戟した。
— 黒島伝治 『橇』 青空文庫
けれども、相手の女は、まるで一匹のたくましい雌馬のように、鼻孔をひろげて、荒い息を吐き吐き、せっせと歩いて、それに追いすがる女学生を振払うように、ただ急ぎに急ぐのである。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
鼻孔からは、鼻血がどくどく流れ出し、両の眼縁がみるみる紫色に腫れあがる。
— 太宰治 『火の鳥』 青空文庫
ネロが昼寝していたとき、誰とも知られぬやわらかき手が、ネロの鼻孔と、口とを、水に濡れた薔薇の葉二枚でもって覆い、これを窒息させ死にいたらしめむと企てた。
— 太宰治 『古典風』 青空文庫
)鼻孔にも詰込んだ。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
その秀英の鼻孔のあたりに微かな気息があるように感じられた。
— 田中貢太郎 『断橋奇聞』 青空文庫