微行
びこう
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
traveling incognito
文例 · 用例
△△の殿様がお微行で陶器を買いに来てこれを置いて行ったのですよ。
— 岡本かの子 『ある日の蓮月尼』 青空文庫
そして、下界に降りて、峰を、原を、紫の星が微行して幽に散歩する俤があつたのである。
— 泉鏡太郎 『魔法罎』 青空文庫
惟うに、太平の世の国の守が、隠れて民間に微行するのは、政を聞く時より、どんなにか得意であろう。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
その間の時間を、紫玉は微行したのである。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
――こちらは、それと聞きますと、お大名か、お殿様が御微行で、こんな破屋へ、と吃驚しましたのに、「何にも入らない。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
槍はびぬ、殿のお微行、近習まで身なりくづした華美づくし、槍は九尺の銀なんぽ、けふも酒、酒、明日もまた、通ふしだらの浮気づら、わたる日本橋ちらちらと雪はふるふる、日は暮れる、やあれ、やれ冷たしやの、槍のさき。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
「それに殿様も、此の普請を御心配なされて、昨日、御微行でお成りになったから、今日は此処へ御検分にお成りになる。
— 田中貢太郎 『海神に祈る』 青空文庫
惟ふに、太平の世の国の守が、隠れて民間に微行するのは、政を聞く時より、どんなにか得意であらう。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫