遺香
いこう
名詞頻度ランク #40150 · 青空 0 例
標準
lingering odor of giver (clothes, etc.) (odour)
文例 · 用例
今日、江戸川に架せられてゐる小橋の一つに小桜橋の名の存するのは、正しく花の名所であつた往時の遺香と云つていい。
— 正岡容 『巣鴨菊』 青空文庫
私はあの救助係の大きな石を鉄梃で動かすあたりから、あとは勝手に私の空想を書いていこうと思っていたのです。
— 宮沢賢治 『イギリス海岸』 青空文庫
いっしょにいこうね。
— 宮沢賢治 『いちょうの実』 青空文庫
嫁にいこうがどうしようが、民子は依然民子で、僕が民子を思う心に寸分の変りない様に民子にも決して変りない様に思われて、その観念は殆ど大石の上に坐して居る様で毛の先ほどの危惧心もない。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
かつて襲われたという家を私も二軒知っているが、そのいずれもが剛慾で人の持っているものを叩き落してでも自分が肥っていこうという家であったのを見ると、海賊というものにも、たゞ者を掠めとる一点ばりでなく、復讐的な気持や、剛慾者をこらしめる気持があったらしい。
— 黒島傳治 『海賊と遍路』 青空文庫
いつになったらいったいこうしたことに鳧がつくのか。
— 梶井基次郎 『冬の蠅』 青空文庫
そしていつかそれに気がついてみると、栄養や安静が彼に浸潤した、美食に対する嗜好や安逸や怯懦は、彼から生きていこうとする意志をだんだんに持ち去っていた。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
「でも、」家内は平気で、「三十分くらいこうしていると、汗がたらたら出てまいります。
— 太宰治 『美少女』 青空文庫
作例 · 標準
彼女の部屋に残された古いコートからは、ほのかに彼女の香水の遺香が漂っていた。
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祖母が使っていた手鏡を手に取ると、樟脳と微かな花の香りの遺香がした。
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旅立つ息子が愛用していたブランケットからは、まだ幼い頃の面影を思わせる、柔らかな遺香が感じられた。
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別れた恋人の香りの遺香が、ふとした瞬間に蘇り、胸を締め付けた。
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