香気
こうき
名詞
標準
fragrance
文例 · 用例
前出の「愁ひつつ丘に登れば花|茨」や、春の句の「陽炎や名も知らぬ虫の白き飛ぶ」などと共に、西欧詩の香気を強く持った蕪村独特の句の一つである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
飲んでみると名状の出来ぬ芳烈な香気が鼻と咽喉を通じて全身に漲るのであった。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
それから、樅や、栂の小枝を、鉈で、さくりさくり伐り落して、鮮やかな、光沢のある、脂の香気が、鋭敏に鼻感を刺戟する、青葉の床を延べる。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
それから尾根を伝わって、下り気味になる、ちょいちょい小さく尖った山稜は、大波の間に、さざ波をだぶだぶ打ち寄せたようで、爪先が上ったり下ったりする、石の皺には、黄花の石楠花が、ちらほら咲いている、この花の弁で承けた霧の雫を吸ったときは、甘酸っぱい香気で、胸が透いた。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
この花の放つ香気には、何となしに日射病の悩みが思われる。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
だが遂にアブばかりでなかった、石楠花の甘ずっぱい香気は私を包み、アブを包み、森に漂って、樹々の心髄までしみ透るかのように、私までがアブの眷属になったかのように。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
浅夜に瀟洒な鉄線を組み立てている清洲橋を渡って、人形町の可愛らしい灯の中で青苦い香気のある冷し白玉を喰べ、東京でも東寄りの下町の小さい踊り場を一つ二つ廻って、貝原はあっさり小初の相手をして踊る。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
夜遊びした孟買女学校の生徒が茶色の肩掛で顔を包んで皮膚には香気ある花を飾って帰途を急いでいる。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
作例 · 標準
淹れたてのコーヒーから漂う香気は、朝の慌ただしい時間を一時忘れさせてくれる。
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春の庭園を散策していると、どこからともなく沈丁花の甘い香気が流れてきた。
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この香水は、ジャスミンをベースにした上品な香気が特徴で人気が高い。
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