戒慎
かいしん
名詞動詞-サ変
標準
caution
文例 · 用例
そこに見え透いている少女の青春の危機と、そこにあらわれている恐ろしい時代相を見て、心の底から戦慄し、戒慎してもらいたいためである。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
それを、親方のお角が、何でこんなに身を入れて、弁護するのだかわからないが、うっかりその殿様の悪口をいえば、親方の御機嫌がこの通りに損われるということだけは、この際、ハッキリと経験したから、以後は自分も慎み、朋輩にも申し聞けておかねばならぬという戒慎の心だけは起ったらしい。
— めいろの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
ゆえに、シナ人に阿片の害を説くと同時に、日本人に飲酒の害を説きて戒慎を加えしめざるべからず。
— 井上円了 『西航日録』 青空文庫
讃められれば讃められるほど、戒慎するところがなければならない、と、彼はいつも心を引きしめているのである。
— 下村湖人 『論語物語』 青空文庫
彼はただ自らを戒慎することによって、孔子の知遇に応えればよかったのだから。
— 下村湖人 『論語物語』 青空文庫
○ 最後の一句「迅雷風烈必変」(原文)は、名高い言葉で、古来の為政家で、この言葉によつて自己を戒慎したものが非常に多い。
— 下村湖人 『現代訳論語』 青空文庫
訪問のあるという日は前兆があり、またはあらかじめ定まっていて、一家|戒慎して室を浄め、叨りに人を近づけず、しかも出入|坐臥飲食ともに、音もなく目にも触れなかったことは、他の多くの尊い神々も同じであった。
— 柳田国男 『山の人生』 青空文庫
「忌む」という語ともとは多分一つで、特殊に昂奮する日でもあれば、同時に特別に戒慎すべき日でもあった。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫