家伝
かでん
名詞名詞-の形容詞
標準
family tradition
文例 · 用例
水を張った大桶の底へ小石を沈めておいて、幼い小初に銜え出さしたり、自分の背に小初を負うたまま隅田川の水の深瀬に沈み、そこで小初を放して独りで浮き上らせたり、とにかく、水というものから恐怖を取り去り、親しみを持たせるため家伝を倍加して小初を躾けた。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
そして、その調合法は、それぞれ、自分の秘密として家伝の如く、他人には容易にそれを話さなかった。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
家伝の名灸でその秘密をこの年取った奥さんが伝えていたのである。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
これは誰にも秘密だがね、僕の祖父時代までは家伝として製法して人に頒けてやっていたもんです。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
わたくしはあまりにも潔癖過ぎる家伝の良心に虐なまれることが度々ある。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
「何も、家伝の秘法の言ふて、勿体を附けるでねえがね……祖父の代から為た事を、見やう見真似に遣るでがすよ。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
家伝薬だというわけではなし、名前が通っているというわけでもなし、正直なところ効くか効かぬかわからぬような素人手製の丸薬を、裏長屋同然の場所で売っていて誰が買いに来るものか。
— 織田作之助 『勧善懲悪』 青空文庫
其の話はお岩の産の手伝に雇入れた小平と云う小厮が民谷家の家伝のソウセイキと云う薬を窃んで逃げたことであった。
— 田中貢太郎 『南北の東海道四谷怪談』 青空文庫
作例 · 標準
この薬の処方は家伝のもので、代々長男にだけその配合が口伝で伝えられてきたという。
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「へぇー、このタレの隠し味、味噌なんだ。さすが家伝のレシピは深みが違うね」
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古くから伝わる家伝の古文書を紐解くと、先祖がこの地でどのように立ち振舞ってきたかが鮮明に浮かび上がる。
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ウィキペディア
家伝(かでん)その家に代々伝わっていること。また、そのもの。 学説などが師弟の間で伝承されること。また、そのもの。相伝。 その家に代々伝わっている歴史、伝承などを記した書物。本項で詳述。 狭義では、特に藤原氏の家伝である『藤氏家伝』のこと。リンク先参照。
出典: 家伝 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0