開明
かいめい
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
civilization
文例 · 用例
すべてが発達し開明した結果、今日では日本内地の旅行は先ず昔の所謂「江の島鎌倉見物」「石尊参り」「伊勢詣」「大和めぐり」「箱根七湯めぐり」などという旅行と同様、即ち遊山旅と丁度同様になって居るかと思います。
— 幸田露伴 『旅行の今昔』 青空文庫
今年の二月三木雄と結婚した智子はあれ程ヒロイックな覚悟と感動とを持って三木雄との生活にはいったのであるけれど、いよいよ夫となり妻となった生活には其処に盲の夫の暗黒の世界と妻の開明な世界との差が直ぐ生じて、それはむしろ智子の方へ余計積極的な苦労となったのである。
— 岡本かの子 『明暗』 青空文庫
とにかくかかる残忍性多き者が平気でおらるるこの世界はまだまだ開明などとは決して呼ばれぬべきはずだ。
— 兎に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
一九〇八年板ごむの「歴史としての民俗學」第一章などを見ると、今日開明に誇る歐羅巴人の多くの祖先も都々逸御順で、老は棄てられ壯きは殘る風俗で澄して居たらしい。
— 南方熊楠 『棄老傳説に就て』 青空文庫
○それからだんだん慣れて来たら、ようやく役者の主意の存するところもほぼ分って来たので、幾分か彼我の胸裏に呼応する或ものを認める事ができたが、いかんせん、彼らのやっている事は、とうてい今日の開明に伴った筋を演じていないのだからはなはだ気の毒な心持がした。
— 夏目漱石 『明治座の所感を虚子君に問れて』 青空文庫
神が出ても仏が出てもいっこう差支ないが、たかが如是我聞の一二句で、あれ程の人騒がせをやるのみならず、不動様まで騒がせるのは、開明の今日はなはだ穏かならぬ事と思う。
— 夏目漱石 『明治座の所感を虚子君に問れて』 青空文庫
それは決して開明というものではない。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
なぜと云ふに、その記する所は開明史上にも文藝史上にも尊重すべき資料であつて、且讀んで興味あるべきものだからである。
— 森鴎外 『壽阿彌の手紙』 青空文庫