晦冥
かいめい
名詞
標準
darkness
文例 · 用例
目を眩しそうにぱちつかせて、女教師の動作の全部を見届けた貝原は「型が綺麗だなあ」 と思わず嘆声を挙げてやや晦冥になりかけて来た水上三尺の辺を喰い付きそうな表情で見つめた。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
「すなわち高天原皆暗く、葦原中国ことごとに闇し」というのも、噴煙降灰による天地|晦冥の状を思わせる。
— 寺田寅彦 『神話と地球物理学』 青空文庫
晦冥の天地にはじめて純白の色を見出すのも人々には嬉しかった。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
晦冥陰慘、雲冷たく、風寒く、征衣纔に黒くして髮忽ち白し。
— 泉鏡花 『花間文字』 青空文庫
抑も天地虚曠晦冥、でいゆす光あれと呼べば即ち光あり。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
越し方のことを考えても縹眇とした無限の中に融け、行く末のことはいよ/\思い定められぬ晦冥の中に暈けております。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
そして彼は最後に言う「我は暗き地、死の蔭の地に往かん、この地は暗くして晦冥に等しく死の蔭にして区別なし、かしこにては光明も黒暗の如し」と。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
まず懐疑の暗雲に閉じこめられて天地|晦冥の間に時々光明の閃光に接し、その光明次第に増すと反比例して暗雲徐々として去り、遂に全光明に接するに至るのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫