仮象
かしょう
名詞
標準
semblance
文例 · 用例
しかしながら Real といふ言葉は外国語の意味に於いては、単なる「現実」を指すのでなく、もつと深奥な哲学的の意味、即ち或る「真実のもの」「確実なもの」、架空の幻影や仮象でなくして、正に「実在するもの」といふやうな意味を持つてゐる。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
夢幻的な間に合わせの仮象を放逐して永遠な実在の中核を把握したと思われる事でなければならない。
— 寺田寅彦 『春六題』 青空文庫
そしてその不思議な日射しはだんだんすべてのものが仮象にしか過ぎないということや、仮象であるゆえ精神的な美しさに染められているのだということを露骨にして来るのだった。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
これをもつと六づかしい哲学的な言葉で云ふと、畢竟ずるに過去は一の仮象に過ぎないといふ事にもなる。
— 夏目漱石 『点頭録』 青空文庫
世界は、まあ何という偶然的な仮象の集まりなのだろう!
— 中島敦 『狼疾記』 青空文庫
私にはまださもしい未練が残っていて、凡てを仮象の戯れだと見て心を安んじていることが出来ない。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
赤青黄は元来白によって統一さるべき仮象であるからである。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
○ 皮相の混乱から真相の整生へ、仮象の紛雑から実在の統一へ、物質生活の擾動から精神生活の粛約へ、醜から美へ、渾沌から秩序へ、憎から愛へ、迷ひから悟りへ、……即ち相剋から安定へ。
— 有島武郎 『運命と人』 青空文庫
作例 · 標準
彼の笑顔は幸福の仮象に過ぎず、心の内は違っていた。
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現実は、表面的な仮象とは大きく異なる場合があるので注意が必要だ。
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哲学では、世界の仮象と本質について深く考察されることが多い。
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