異臭
いしゅう
名詞頻度ランク #36743 · 青空 146 例
標準
offensive smell
文例 · 用例
もっとも幼時の自分は常に病弱で神経過敏で、たとえば群集に交じって芝居など見ていても、よく吐きけを催したくらいであるから、その時もやはり試験の刺激の圧迫ですでに脳貧血を起こしかけていたために、少しの異臭が病的に異常に強烈な反応を促進したかもしれない。
— 寺田寅彦 『試験管』 青空文庫
しかも非人同様の姿ながら恐れ気もないその態度と、プンプンする熟柿臭い異臭が、いかにも不快な感じを与えたらしい。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
化学分析に伴う異臭と同様に精神分析の異臭が、実さんの舞台表現となって発散するのだ。
— 夢野久作 『実さんの精神分析』 青空文庫
支那街の異臭、雑沓、商業街の殷賑、私たちはそれ等を車の窓から見た。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
一種の異臭の幽かに浮び出るを敏くも感覚した長次は、身体の痛みも口惜しさも忘れ、跣足のまゝに我家へ一散走り、「母さん、判りました、判りました。
— 幸田露伴 『名工出世譚』 青空文庫
得体の知れぬ部屋の悪臭をかぎながら、つまりこれがおれの生活の異臭なんだと、しかしちょっと惹きつけられてみたり、そうかと思うと、それを毎夜なんのあてもなしにそわそわと街へ出掛けて行く口実にしていた。
— 織田作之助 『道』 青空文庫
そうして、私の新しいホワイトシヤツの下から青い汗がにじむ、植物性の異臭と、熱と、くるしみと、……芽でも吹きさうな身体のだらけさ、(何でもいいから抱きしめたい。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
この時、海に最も近い沖ノ端の漁師原には男も女も半裸体のまま紅い西瓜をむさぼり、石炭酸の強い異臭の中に昼は寝ね、夜は病魔退散のまじなひとして廃れた街の中、或は堀の柳のかげに BANKO(縁台)を持ち出しては盛んに花火を揚げる。
— 北原白秋 『水郷柳河』 青空文庫
作例 · 標準
近隣住民から「焦げ臭い異臭がする」との通報があり、消防隊が現場に急行した。
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古い空き家の扉を開けた途端、カビと埃の混じった異臭が鼻をついた。
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化学工場の周辺一帯には、依然として薬品のような異臭が立ち込めている。
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「うわっ、なんだか異臭がするぞ」と、彼は顔をしかめて鼻を覆った。
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