遺習
いしゅう
名詞
標準
old customs
文例 · 用例
予が今に理窟を云うの癖があるは此の時代の遺習かと、独りで窃におかしく思っとる。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
そのころにはこういうものは、「西洋人に見られると恥ずかしい野蛮の遺習」だというふうに考えられて、公然とはできないことになっていたように記憶する。
— 寺田寅彦 『沓掛より』 青空文庫
もっとも昔の小説だと風采と心が一致している場合が大変に多いのであるが、それはお伽話か神話以来の遺習で、現実味の強い今の小説ではそう手軽く行かないから困る。
— 夢野久作 『創作人物の名前について』 青空文庫
後に道教で、五嶽眞影などといふ字の如く畫の如き奇なるものを有難がるのも、遠い古からの遺習に出たことで、後に此等の山其の祭るべき神、乃至祖宗を祭ることは、人の當然に爲すべきこととされた。
— 幸田露伴 『道教に就いて』 青空文庫
尤も伝来の遺習が脱け切れなかった為めでもあるが、一つには職業としての文学の存立が依然として難かしいのが有力なる大原因となっておる。
— 内田魯庵 『二十五年間の文人の社会的地位の進歩』 青空文庫
旦那の仰しやる通り日本のやうな猶だ男女七歳にして席を同ふせざる封建道徳の遺習が牢乎として抜くべからざる国で、若い女の許へ臆面もなくノコ/\サイ/\やつて来るはどうせ軽薄な小才子か、女の御用を勤めて嬉しがる腰抜の無気力漢だ。
— 内田魯庵 『犬物語』 青空文庫
今日關東以北の人が、活用言のヒとヘとをよく誤り、石をエシと發音するなど其遺習である。
— 内藤湖南 『平安朝時代の漢文學』 青空文庫
松下の行り方は、他人を見れば敵と思つた封建時代の遺習で、型としては既う黴が生えてゐる。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
作例 · 標準
古い村に残る遺習が、現代の生活様式と衝突することも少なくない。
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遺習にとらわれず、新しい時代に合った制度を構築することが求められている。
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その地域では、今もなお奇妙な遺習がいくつか残っていると聞く。
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かつての祭りの遺習を受け継ぎながら、形を変えて現代に伝えられている。
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