紫根
しこん
名詞
標準
gromwell root (of species Lithospermum erythrorhizon)
文例 · 用例
貴族院議員の愛娘とて、最も不器量を極めて遺憾なしと見えたるが、最も綺羅を飾りて、その起肩に紋御召の三枚襲を被ぎて、帯は紫根の七糸に百合の折枝を縒金の盛上にしたる、人々これが為に目も眩れ、心も消えて眉を皺めぬ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
黒縮緬の羽織に夢想裏に光琳風の春の野を色入に染めて、納戸縞の御召の下に濃小豆の更紗縮緬、紫根七糸に楽器尽の昼夜帯して、半襟は色糸の縫ある肉色なるが、頸の白きを匂はすやうにて、化粧などもやや濃く、例の腕環のみは燦爛と煩し。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
いづれ又近日改めてお目に掛りまするで、失礼ながらお名前を伺つて置きたうござりまするが」「はい、私は」と紫根塩瀬の手提の中より小形の名刺を取出だして、「甚だ失礼でございますが」「はい、これは。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
紫の一もと 舊南部領に紫根染の殘つてゐることを傳へ聞き、それを心あてに染色の古法をたづねるため、今一つには紫の一もとなりとも採集したいとの願ひから、遠く南部の地を踏み、花輪の山奧なる湯瀬といふところまで旅して歸つて來た人は、赤坂田町に住む草木屋の主人である。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
この草の根が紫根でいわゆる紫根染めの原料である。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
昔は江戸紫などと称え一般に紫はこの紫根で染めたものだが、今日では美麗な新染料に圧倒せられてこのユカリの色の紫を紫根で染める事は実に稀れになってしまった。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
古代の紫根染の知識が足りない。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
紫根染も悉く絞です。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
作例 · 標準
その伝統的な染料は、紫根から作られており、深みのある色合いが特徴だ。
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漢方薬では、紫根は解毒作用や抗炎症作用があるとされ、利用されている。
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古代の化粧品には、紫根を原料としたものが多く見られた。
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