貴賤
きせん
名詞
標準
high and low (social standing)
文例 · 用例
然るに南方の文帝、元嘉の年中、京洛の婦女子、皆悉く愁眉、泣粧、墮馬髻、折要歩、齲齒笑をなし、貴賤、尊卑、互に其の及ばざるを恥とせり。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
常時非常時に拘らず、貴賤貧富を問わず、私たちの生活態度は斯くあるべきであり斯くあらざるを得ない。
— 種田山頭火 『物を大切にする心』 青空文庫
「個性の使命をはたすこと、自身の力量に適応した家業に、善悪貴賤の差別なし」 これを宗右衛門にあてはめる以上、彼は急ぎ家業に復帰しなければならないのであつた。
— 岡本かの子 『老主の一時期』 青空文庫
然りと雖も相互に於ける身分の貴賤、貧富の隔壁を超越仕り真に朋友としての交誼を親密ならしめ、しかも起居の礼を失わず談話の節を紊さず、質素を旨とし驕奢を排し、飲食もまた度に適して主客共に清雅の和楽を尽すものは、じつに茶道に如くはなかるべしと被存候。
— 太宰治 『不審庵』 青空文庫
貴賤貧富の別が無いんだ。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
まこと貴賤も貧富もなき自由平等の樂天地は、はじめて茲に發見すべし。
— 長塚節 『長塚節歌集 中』 青空文庫
食事は毎日のことだから、貴賤に限らずその心得がなくてはならない。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
七 髪結洗濯 女史と相別れし後、妾は土倉氏の学資を受くるの資格なきことを自覚し、職業に貴賤なし、均しく皆神聖なり、身には襤褸を纏うとも心に錦の美を飾りつつ、姑らく自活の道を立て、やがて霹靂一声、世を轟かす事業を遂げて見せばやと、ある時は髪結となり、ある時は洗濯屋、またある時は仕立物屋ともなりぬ。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
作例 · 標準
「職業に貴賤なしとは言うけれど、実際には人の目って結構シビアだよね。」
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この温泉宿は古くから、身分の貴賤を問わず万病を癒やす湯として旅人に親しまれてきた。
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誰に対しても分け隔てなく接する彼の態度は、まさに貴賤の別を感じさせないものだった。
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