開悟
かいご
名詞動詞-サ変
標準
wisdom
文例 · 用例
慾を捨て道に志すに至る人というものは、多くは人生の磋躓にあったり、失敗窮困に陥ったりして、そして一旦開悟して頭を回らして今まで歩を進めた路とは反対の路へ歩むものであるが、保胤には然様した機縁があって、それから転向したとは見えない。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
我邦でも弘法大師は今に存在して、遍路の行者とまでも云えない世の常の大師まいりをする位の者の間にも時によりて現われて、抜苦与楽転迷開悟の教を垂れて下さるという俗間信仰がある。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
一念開悟、生命の活法を獲受して、以来、その法をもって、遍く諸人に施して、万病を治するに一点の過誤がない。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
一貫の趣旨、もとは不可解でも難解でも無いものを、何となく仏教徒の開悟一番の古則公案のように取り上げて来た俗な傾向や、幽旨玄味で測り知り難いものでもあるかのような観方を破砕したことは、真に全氏の正義である。
— 幸田露伴 『一貫章義(現代訳)』 青空文庫
王はもとよりかの比丘が無類の偉人で、弁才能く人間外の物をすら感ぜしむるを知ったから、諸群惑をいかにもして悟らせようと考えて、七疋の馬を五日間餓えしめ、六日目にあまねく内外の沙門と異学の徒を集め、かの比丘を請じて説法せしめると、一同開悟せぬはなかった。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
相与に議して曰く、天下の理義は、神明を開悟し、幽旨を洞発し、智慧を増長す。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
おのが轉迷開悟の緒にせむとするものあり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
さはれ逍遙子は其覺前空の地位に住して、われをば何人もえ倒さじ、わが沒理想(形而上論上無所見)をば誰もえ破らじと誇りて、別におのが望める轉迷開悟の途を示したり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫