参差
しんし
形容詞-たる副詞-と
標準
of uneven heights or lengths
文例 · 用例
ただこれぎりなら夏らしくもないが、さて一種の濁った色の霞のようなものが、雲と雲との間をかき乱して、すべての空の模様を動揺、参差、任放、錯雑のありさまとなし、雲を劈く光線と雲より放つ陰翳とが彼方此方に交叉して、不羈奔逸の気がいずこともなく空中に微動している。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
大方は雨漏に朽ち腐れて、柱ばかり参差と立ち、畳は破れ天井裂け、戸障子も無き部屋どもの、昔はさこそと偲ばるるが一い二ウ三いと数うるに勝えず。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
境遇に負けて人臆れのする少年であった鼈四郎は、これ等の人気を避けて、土手の屈曲の影になる川の枝流れに、芽出し柳の参差を盾に、姿を隠すようにして漁った。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
銅像の検閲を受ける銃剣の参差のように並木の梢が截り込みこまかに、やはりシルエットになって見える。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
截り立ったような梢は葉を参差していて、井戸の底にいるような位置の私には、草荵の生えた井の口を遙かに覗き上げている趣であった。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
僅に板戸の隙間より内の模様を窺ふに、畳二三十も敷かるべく、柱は参差と立ならべり。
— 泉鏡花 『妖怪年代記』 青空文庫
夕日が竹叢に当ると地面に参差交横の稀影を描いた。
— 木下杢太郎 『本の装釘』 青空文庫
しかし眼近かのこれ等の色彩を物の数ともしないように池の渚の草の綾条から、築山の木枝の参差へかけて、満庭の鬱々としてまた媚々たる、ものゝ芽の芽立ちの色の何という嫉たましいまでに美しく人を牽き付けることでしょう。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
作例 · 標準
この生け垣は手入れが行き届いておらず、枝が参差と伸びている。
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古い家々の屋根が参差と並ぶ、風情ある景色だ。
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人生の道のりは参差であり、平坦な道ばかりではない。
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