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不揃い

ふぞろい異読 ふそろい
名詞-の形容詞形容動詞名詞
1
標準
uneven
文例 · 用例
青く凝って澄んだ東北特有の初夏の空の下に町家は黝んで、不揃いに並んでいた。
岡本かの子 みちのく 青空文庫
明治座前で停ると少女は果して降りて行く、そのあとから自分も降りながら背後から見ると、束ねた断髪の先端が不揃いに鼠でも齧ったような形になっているのが妙に眼について印象に残った。
寺田寅彦 初冬の日記から 青空文庫
この手紙の慌てたような、不揃いな行を見れば見る程、どうも自分は死にかかっている人の所へ行くのではないかと思うような気がする。
リルケ Rainer Maria Rilke 青空文庫
月もなく、日もなく、樹もなく、草もなく、路もない、雲に似て踏みごたえがあって、雪に似て冷からず、朧夜かと思えば暗く、東雲かと見れば陰々たる中に、煙草盆、枕、火鉢、炬燵櫓の形など左右、二列びに、不揃いに、沢庵の樽もあり、石臼もあり、俎板あり、灯のない行燈も三ツ四ツ、あたかも人のない道具市。
泉鏡花 伊勢之巻 青空文庫
見渡したところ、郊外の家の屋根屋根は、不揃いだと思わないか。
太宰治 彼は昔の彼ならず 青空文庫
「まるで寒夜に千鳥でも聴きに来たようだ」 とか、「元禄の頃、こゝから斜の向う河岸の辺に深川の芭蕉庵があったらしいんだよ」 とか池上は、話の継穂に困ったらしく、娘のわたくしには何の興味もない事柄を不揃いに喋ります。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
眼鼻立ちだって、万更、不揃いでもないのに、どうして、こんな不仕合せな片輪者に生れついたのかねえ――と言ったところで聞えもしまいが」「あーあー」「酷いことを言うようだが、あたしゃおまえさんを見かけてから、これで、いくらか世の中が諦め易くなったのだよ。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
病院の門内に敷き詰めた多摩川砂利が、不揃いな粒と粒との間に、桜の花片をいっぱい噛んでいる。
――二つの連作―― 青空文庫