蕭然
しょうぜん
形容詞-たる副詞-と
標準
lonely
文例 · 用例
渠は山に倚り、水に臨み、清風を担い、明月を戴き、了然たる一身、蕭然たる四境、自然の清福を占領して、いと心地よげに見えたりき。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
で蕭然たるうちに物皆|萠ゆる生氣は地殼に鬱勃としてゐる。
— 三島霜川 『解剖室』 青空文庫
貞盛は良兼には死なれ、孤影蕭然、たゞ叔母婿の維幾を頼みにして、将門の眼を忍び、常陸の彼方此方に憂き月日を送つて居た。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
其五 西行かすかに眼を転じて、声する方の闇を覗へば、ぬば玉の黒きが中を朽木のやうなる光り有てる霧とも雲とも分かざるものの仄白く立ちまよへる上に、其|様異なる人の丈いと高く痩せ衰へて凄まじく骨立ちたるが、此方に向ひて蕭然と佇めり。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
折から灯籠の中の灯の、香油は今や尽きに尽きて、やがて熄ゆべき一明り、ぱつと光を発すれば、朧気ながら互に見る雑彩無き仏衣に裹まれて蕭然として坐せる姿、修行に窶れ老いたる面ざし、有りし花やかさは影も無し。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
天地|蒼茫として暮れんとする夏の山路に、蕭然として白く咲いているこの花をみた時に、わたしは云い知れない寂しさをおぼえた。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
艸花立樹の風に揉まれる音の颯々とするにつれて、しばしは人の心も騒ぎ立つとも、須臾にして風が吹罷めば、また四辺蕭然となって、軒の下艸に集く虫の音のみ独り高く聞える。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
山陽は「素愛嵐峡山水、就其最清絶処縛屋、挈弟倶居、嚢硯壺酒、蕭然自適」と云つてゐる。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
作例 · 標準
秋の夜長、一人で山荘に佇むと、蕭然とした寂しさを感じた。
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閉店した古い商店街を歩くと、かつての賑わいが嘘のような蕭然とした雰囲気が漂っていた。
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彼は、都会の喧騒から離れた、蕭然とした田舎の風景に心を癒されていた。
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