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閑寂

かんじゃく
形容動詞名詞
1
標準
quiet
文例 · 用例
しかしヘルンが仕事をしている時は、家人が皆神経質に注意しているので、家中がひッそりとして閑寂に静まり返っていた。
室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 小泉八雲の家庭生活 青空文庫
爛熟し、頽廢し、さうしてさびた揚句の果が、こんな閑寂にたどりついたので、私は、かへつて、このせまい裏路に、都大路を感ずるのである。
太宰治 九月十月十一月 青空文庫
西行を好み、閑寂の静かさを求め、枯淡のさびを愛した芭蕉は、心境の自然として、常に「老」の静的な美を慕った。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
菜の花や昼ひとしきり海の音 前と同様、南国風景の一であり、閑寂とした漁村の白昼時を思わせる。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
空には白い雲が浮び、自然の悠々たる時劫の外、物音一つしない閑寂さである。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
この句を読むと、田舎の閑寂な空気や、夏の真昼の静寂さや、ひっそりとした田舎家の室内や、その部屋の窓から見晴しになってるところの、広茫たる一面の麦畑や、またその麦畑が、上風に吹かれて浪のように動いている有様やが、詩の縹渺するイメージの影で浮き出して来る。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
一体、温泉などといふものは、周囲が極めて閑寂であるから、之れと反映するために、生活の気分を華やかにする必要がある。
萩原朔太郎 石段上りの街 青空文庫
要所、要所の手くばりもあらましここにすみぬれば手代が下知の一聲に家臺をゆする物音やたまたま晝の閑寂に庭の椿の落つる頃。
萩原朔太郎 煤掃 青空文庫
作例 · 標準
人里離れた山中に建つその古刹は、四季折々の自然に彩られながらも、常に閑寂な趣を湛えている。
都会の喧騒を離れ、奥多摩の閑寂な温泉宿で週末を過ごすことで、日々の疲れが静かに癒やされていく。
彼は若くして華やかな社交界を去り、郊外の小さな庵で閑寂を友とする隠遁生活を選んだ。
その枯山水の庭園は、巧みに配置された石と白砂の紋様だけで、宇宙の広がりと深い閑寂を表現している。