帰心
きしん
名詞
標準
homesickness
文例 · 用例
秋の十月に諸国に地震があり、故郷の駿河も相当ひどかったということは彼の帰心を弥が上にもそそったのであった。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
狂ひに狂ひし頑癖も稍静まりて、茲年人間生活の五合目の中阪にたゆたひつゝ、そゞろに旧事を追想し、帰心矢の如しと言ひたげなるこの幻境に再遊の心は、この春松島に遊びし時より衷裡を離れず。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
序にサゴヤ佐五郎の事も忘れてしまって文字通り帰心矢の如く福岡に着いた。
— 夢野久作 『斬られたさに』 青空文庫
夕刊売の鈴の音が、帰心にせかれる行人の心に、果敢ない底さむさを与える。
— ――ふるき市街の回想―― 『小景』 青空文庫
それでもやはり故郷への帰心は抑え難くはげしい。
— 金史良 『故郷を想う』 青空文庫
私は農家の収穫を見おさめれば東京へ帰ろうと思っているが、雁が空を渡っていく夕暮どきなど、むかしこの出羽に流された人人も恐らくこのような気持ちだったであろうと思われて、東京の空が千里の遠きに見え、帰心しきりに起ることがある。
— ――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 『夜の靴』 青空文庫
飛魚は赤蜻蛉ほど浪越すと云ふ話など疾く語らまし 印度洋の所見であるが、帰心箭の如く、頭の中は子供のことで一杯だつた。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
いずれも帰心矢のごとしと云いながら、帰れない身だ。
— 小栗虫太郎 『「太平洋漏水孔」漂流記』 青空文庫
作例 · 標準
旅の途中でふと、遠い故郷への帰心に駆られる瞬間がある。
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長い海外赴任生活で、彼の故郷への帰心は募るばかりだった。
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秋風が吹くたびに、故郷を懐かしむ帰心が湧き上がってくる。
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