口唇
こうしん
名詞
標準
lips
文例 · 用例
格別、先生の口唇が、鼻腔が可笑しいといふのぢやない、起立して、先生の後から歌ふ生徒等が可笑しいといふのでもない、それどころか、俺は大体、此の世に笑ふべきものがあらうとは思つちやゐなかつた。
— 中原中也 『夏と悲運』 青空文庫
わたくしがどうしてそんな……」と、弥三郎は口唇をふるわせながら慌てて打ち消そうとした。
— お化け師匠 『半七捕物帳』 青空文庫
口唇にも歯齦にも紅を濃く染めて、大きい口を真っ紅にみせていた。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
口も比較的に小さい方で、黄い口唇から不規則に露出している幾本の長い牙は、山犬よりも鋭く見えた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
根岸の叔母さんが付いているから」と、お浜は口唇をそらして皮肉らしく云った。
— 人形使い 『半七捕物帳』 青空文庫
」 村長が左う云つて私の鼻先に指を差すと、何も私は人間嫌ひのために始終そんな顔つきを保つてゐるわけではなかつたのだが、何やらともなく癪に触る入道雲がむく/\と胸先に込みあげて来て、ツと口唇突らせ、憤つと頬つぺたをふくらませてしまつたのであつた。
— 牧野信一 『その村を憶ひて』 青空文庫
私の表情と、音声とには屹度、非常な驚きの色が現はれてゐたのでせう、孔雀は私のその声で、――思はず笑ひ出したのでせう、白い花のやうに美しいその掌を、薔薇のやうな口唇に当てゝ――可笑しさうに笑ひました。
— 牧野信一 『嘆きの孔雀』 青空文庫
無邪気な諧謔と機智に富んだ洒落とが、ビーアの泡と一緒に口唇から湧き出した。
— 徳田秋聲 『老苦』 青空文庫
作例 · 標準
彼女の紅い口唇が、微笑むたびに艶めかしく輝いた。
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