苦行者
くぎょうしゃ
名詞
標準
ascetic
文例 · 用例
何しろこの狩猟長の厳粛な表情を見ると、この冒険はなかなかの重大事であると云うことは、看取されたが、またそれと共に時々漏れるこの苦行者の暗欝の中からの嘲笑は、この探険に対して何等かの自信を思わせるものであると思われた。
— コナン・ドイル 『空家の冒険』 青空文庫
わたしの想像によると、蝉丸は中世風な苦行者の首途に置かれた王子であつて、父なる帝はその子に解脱への道を教へたものであらうと考へるが、これはわたしの想像であるに過ぎない。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
だがしかしだ、儂は、苦行者でも殉教者でもない。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
唯昔の苦行者のように無何有の砂漠を家としている。
— 芥川龍之介 『侏儒の言葉』 青空文庫
唯昔の苦行者のやうに無何有の砂漠を家としてゐる。
— 芥川龍之介 『侏儒の言葉』 青空文庫
彼の風貌のうちには、沈重な北方人の趣きと瞑想的な苦行者の趣きとがあるといわれているが、その心には、輝かしい溌剌たる魂が蔵せられていた。
— JEAN CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
正宗氏の足跡は苦行者の如く、その数十年の作家生活は一途に悩みつづけてきたかの外貌を呈してゐるが、実際は、当然悩むべきところに悩むまいとする逃避的な悩み方ばかりを悩みつづけてきたものと私は解する。
— 坂口安吾 『枯淡の風格を排す』 青空文庫
正宗氏の足跡は苦行者の如く、その数十年の作家生活は一途に悩みつづけてきたかの外貌を呈しているが、実際は、当然悩むべきところに悩むまいとする逃避的な悩み方ばかりを悩みつづけてきたものと私は解する。
— 坂口安吾 『枯淡の風格を排す』 青空文庫