花心
かしん
名詞
標準
center of a flower (centre)
文例 · 用例
カワラマツバの小さな四弁花は弁と弁との間から出た雄蕊がみんな下へ垂れ下がって花心から逃げ出しそうにしている。
— 寺田寅彦 『高原』 青空文庫
余曰く、この花の面白からずと思はるゝ所ありや、われはこの花に対して魂魄既に花心にありと言ひけるに、驚いて再び曰ふ、さてもさても日本は風趣に富める国かな。
— 北村透谷 『漫言一則』 青空文庫
(e, g.. Westropp and Wake,‘Ancient Symbol Worship’, New York, 1875, p. 73)然し上に引た經説もあり、蓮華が陰唇裏に花心を見する状を呈すれば、その陰相たるに止まり、陽相を兼具せざるは明白だ。
— 南方熊楠 『蓮の花開く音を聽く事』 青空文庫
青銅のうす黒い花瓶の中から花心もあらわに白く浮き出している梅の花に、廓の春の夜らしいやわらかい匂いが淡くただよっていた。
— 岡本綺堂 『箕輪心中』 青空文庫
花模様の青い絨氈の敷かれた床の上には、桃花心木の卓子を囲んで、水色の蒲団の取り附けてある腕椅子が五六脚置かれている。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
いかにも、今迄気が付かなかったが、其処の小さい桃花心木の卓の上に、卓上電話が置かれていた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
敷詰めてある薄桃色の絨毯にも、水色の窓|掩いにも、ピアノの上に載せてある一輪挿の花瓶にも、桃花心木の小さい書架に、並べてある美しい装幀の仏蘭西の小説にも、雪のように白い絹で張りつめられた壁にかゝっているクールベエらしい風景画にも炉棚の上の少女の青銅像にも、夫人の高雅な趣味が光っていた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
先刻の手紙は、恐らくこの桃花心木の小さい卓で書いたのに違いない。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
作例 · 標準
蜜蜂が花心に誘われるように、一輪のコスモスに群がっていた。
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カメラのレンズを近づけ、可憐な花心の繊細な造形を捉えた。
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花心から広がるグラデーションは、自然が織りなす芸術だ。
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