蒼然
そうぜん
形容詞-たる副詞-と
標準
blue
文例 · 用例
流体力学の専門家はその古色|蒼然たる基礎方程式を通してのみしか流体を見ないから、いつまでたってもその方程式に含まれていない種類の現象に目の明く日は来ない。
— 寺田寅彦 『物理学圏外の物理的現象』 青空文庫
鍋町の風月の二階に、すでにそのころから喫茶室があって、片すみには古色|蒼然たるボコボコのピアノが一台すえてあった。
— 寺田寅彦 『銀座アルプス』 青空文庫
「それから山内の森の中へ来ると、月が木間から蒼然たる光を洩して一段の趣を加えていたが、母は我々より五歩ばかり先を歩るいていました。
— 国木田独歩 『牛肉と馬鈴薯』 青空文庫
始めのうちは振動の問題や海の色の問題や、ともかくも見たところあまり先端的でない、新しがり屋に言わせれば、いわゆる古色|蒼然たる問題を、自分だけはおもしろそうにこつこつとやっていた。
— 寺田寅彦 『時事雑感』 青空文庫
忌々しい、可哀そうに老人をと思って癪に障ったから、おいらあな、」 活気は少年の満面に溢れて、蒼然たる暗がりの可恐しい響の中に、灯はやや一条の光を放つ。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
從つて古色蒼然たる脇立の青鬼赤鬼も、蛇矛、長槍、張飛、趙雲の概のない事はない。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
其の席に配つた、座蒲團一つ一つの卓の上に、古色やゝ蒼然たらむと欲する一錢銅貨がコツンと一個。
— 泉鏡太郎 『九九九會小記』 青空文庫
夫人の面は蒼然として、「どうしても肯きませんか。
— 泉鏡花 『外科室』 青空文庫
作例 · 標準
日が沈み、あたりが蒼然とした闇に包まれていく時間は、どこか物悲しさを感じさせる。
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山頂から見下ろす蒼然たる湖面は、月明かりを浴びて神秘的な輝きを放っていた。
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蒼然とした夕闇の中、遠くの街灯がぽつりぽつりと灯り始める光景が好きだ。
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