残光
ざんこう
名詞
標準
afterglow
文例 · 用例
もはや日没ちかく、残光を浴びて山の峯々が幽かに明るく、線の起伏も、こだわらずゆったり流れて、人生的にやさしく、富士山の、人も無げなる秀抜と較べて、相まさること数倍である、と笠井さんは考えた。
— 太宰治 『八十八夜』 青空文庫
薄ぼけた様な雲のなかに、ちらちらと饒に残光を保つ明け方の星空の元に、山刀や弁当の包を太縄で結わえ付けた幾つもの男達の空車の歯が、からからと音を立てて、やがて次の村落の方へ消えて行くと、跡は森閑として、家内の者はにわかに睡眠不足の眼をしばだたき出すのであった。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
落日の残光がほんのりそれに当って人を夢心地にする。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
樹木の梢と空にだけ金色の残光が淡く照り栄えて居る。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
この辺から西方|雲煙の表に夕陽の残光を受けて立つ日本アルプスの重畳は実に雄麗壮大の眺めであった。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、メロスは疾風の如く刑場に突入した。
— 太宰治 『走れメロス』 青空文庫
僅かに残光が窓枠の四角な形を切り出していたが、それも吸い取紙で吸い取られるように薄れていった。
— 海野十三 『キド効果』 青空文庫
春が来て、私の家の小さな庭に香のある花が咲き、夕暮の残光が長く空を照らす頃になると、私のその郷愁は愈募って来る。
— 宮本百合子 『素朴な庭』 青空文庫
作例 · 標準
夕日が沈んだ後も、西の空には美しい残光が漂っていた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
事故の衝撃で、彼の網膜には激しい光の残光が焼き付いた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
「見て、あの夕焼けの残光、すごく綺麗だね。」
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite