残映
ざんえい
名詞
標準
afterglow (of a sunset)
文例 · 用例
人は恢復期の悦びに和らぐ眸をどうしても向うに見える樹木の残映にふりむけたくなるのだ……。
— 原民喜 『苦しく美しき夏』 青空文庫
対岸には夕焼の残映が漂っている。
— 富田木歩 『小さな旅』 青空文庫
父親を、破滅させて、陋巷に窮死させた、あの残忍な一味の主魁が、今や、一世の栄華を擅にして、公方の外戚らしく権威を張り、松浦屋の残映たる、自分の舞台を、幕を張り廻らした、特別な桟敷から見下ろそうとするのである。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
時雨は現在では、さまざまの思想と生活との推移から複雑な人になっているが、内心にはいつも過去の日本橋ッ子としての気魄が残映して、微妙にその感情を操作しているように見える。
— 序文/自序 『旧聞日本橋』 青空文庫
残映が、山の上を帯のように長い雲をぼんやりと紅く染めている。
— 佐藤垢石 『みやこ鳥』 青空文庫
この、戦争のような地上に引きかえて、空は、残映から夜へ移ろうとして、濃紺と茜との不可思議な染め分けだ。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
この関係こそ、上代文化の地盤をなしたところの、上代社会関係の象徴的残映であったのである。
— 風巻景次郎 『中世の文学伝統』 青空文庫
作例 · 標準
太陽が沈んだ後の山脈が、薄紫色の残映に縁取られて幻想的な美しさを見せている。
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海面に反射する夕日の残映が、波に揺られてキラキラと黄金色に輝いていた。
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夏の日の長い残映を惜しむように、子供たちは暗くなるまで公園で遊び続けた。
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標準
traces (of something that is no more)
作例 · 標準
栄華を極めた王朝の残映は、今や崩れかけた石柱の破片にわずかに留まるのみだ。
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この古い劇場には、かつての名優たちが演じた華やかな舞台の残映が漂っている。
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彼の書く文章には、かつて師事していた作家の作風の残映が色濃く出ている。
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