異郷
いきょう
名詞
標準
foreign country
文例 · 用例
何かなしに神田で覘いてみた眼鏡の中の大通りを思い浮べて、異郷の巷を歩くような思いがする。
— 寺田寅彦 『まじょりか皿』 青空文庫
異郷で迎えた正月も数ある中でどうしてこの武雄温泉とナポリと二つの正月が割合に鮮明な絵となって、そうして対幅のようになって残っているのか。
— 寺田寅彦 『二つの正月』 青空文庫
人を馬鹿にしているこの駄洒落は異郷の旅愁をかえって慰めてくれた。
— 九鬼周造 『偶然の産んだ駄洒落』 青空文庫
大都市の冬に特有な薄い夜霧のどん底に溢れ漲る五彩の照明の交錯の中をただ夢のような心持で走っていると、これが自分の現在住んでいる東京の中とは思えなくなって、どこかまるで知らぬ異郷の夜の街をただ一人こうして行方も知らず走っているような気がして来た。
— 寺田寅彦 『初冬の日記から』 青空文庫
このような不思議な世界に読者を導き入れるためには、特殊な手段を要することは勿論で、この種の作品がその資料を遠い過去や異郷に採るのみならず、その文体や用語に特別な選択をするを便利とする所以もまたここに在るのではあるまいか。
— 寺田寅彦 『文学の中の科学的要素』 青空文庫
異郷から来た旅人が宿泊した時に、その人が風采も立派で勇気があって優れた人物だと思うと、夜中に不意を襲って暗殺してしまう。
— 寺田寅彦 『マルコポロから』 青空文庫
あまりあてにならないような古い昔の異郷の奇習の物語が一々現代の吾々の生活にかすかながらある反響のようなものを伝えるのが不思議と云えば不思議でもある。
— 寺田寅彦 『マルコポロから』 青空文庫
発明者の考えでは、この法を印刷物に利用すれば、遠い異郷で毎朝出る新聞を同日同刻にそのまま見る事も出来るだろうとの事である。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
作例 · 標準
異郷の地で民族言語学の研究に没頭する中で、彼は現地の文化に深く根差した習慣に驚嘆した。
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戦争や政情不安から逃れた人々が、異郷の地で新たな生活を築こうと懸命に働いている。
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「この異郷の地では、故郷の味を思い出すたびに、少しだけ心が締め付けられるよ。」
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政治的な理由で異郷に追放された王族は、二度と祖国の大地を踏むことはなかった。
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