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異香

いきょう異読 いこう
名詞
1
標準
great fragrance
文例 · 用例
そして孤独にも孤独の痛快味がわれとわが空虚のうちを慰め潤おし、それが弾みとなって思索から思索へと累進するときに、層々の闇の中にときどき神秘なうす明りが待受けていて何か異香らしいものさえ鼻に薫じた。
岡本かの子 宝永噴火 青空文庫
やがて、自分のを並べ果てて、対手の陣も敷き終る折から、異香ほのぼのとして天上の梅一輪、遠くここに薫るかと、遥に樹の間を洩れ来る気勢。
泉鏡花 伊勢之巻 青空文庫
異香室内に滿つ――で、尊さが思遣られる。
泉鏡太郎 人參 青空文庫
三年ほど前に、私は聊斎志異の中の一つの物語を骨子として、大いに私の勝手な空想を按配し、「清貧譚」という短篇小説に仕上げて、この「新潮」の新年号に載せさせてもらった事があるけれども、だいたいあのような流儀で、いささか読者に珍味異香を進上しようと努めてみるつもりなのである。
太宰治 新釈諸国噺 青空文庫
そんな時は、寝白粉の香も薫る、それはた異香|薫ずるがごとく、患者は御来迎、と称えて随喜渇仰。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
重成の首は月代が延びていたが異香薫り、家康これ雑兵の首にまぎれぬ為の嗜、惜む可きの士なりと浩歎した。
菊池寛 大阪夏之陣 青空文庫
ここかしこの鉢植なる熱帯地方の植物は、奇花を着け、異香を放ち、且つ緑翠を滴らせて、個々電燈の光を受け、一目|眇として、人少なに、三組の客も、三人のボオイも、正にこれ沙漠の中なる月の樹蔭に憩える風情。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
人|若し彼に咫尺するの栄を得ば、啻にその目の類無く楽さるるのみならで、その鼻までも菫花の多く※ぐべからざる異香に薫ぜらるるの幸を受くべきなり。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
作例 · 標準
この山の奥深くにしか咲かないという、幻の花からは、なんとも言えない異香が漂ってきた。
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老舗の香木からは、古来より伝わる深遠な異香が立ち上り、空間を厳かに満たしていた。
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彼女が纏う香水は、市場では見かけない、繊細でいて個性的な異香を放っていた。
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熟成されたワインからは、ベリー系の香りに混じり、微かに土のような異香が感じられた。
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