香煙
こうえん
名詞
標準
incense smoke
文例 · 用例
墓前花堆うして香煙空しく迷う塔婆の影、木の間もる日光をあびて骨あらわなる白張燈籠目に立つなどさま/″\哀れなりける。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
しかし「霧不断の香をたく」というのは香煙に見立てた眼の感じで鼻の感じではあるまい。
— 寺田寅彦 『歳時記新註』 青空文庫
下見れば早や塔の沢、こちごちに湯の香煙りて、ちらちらと揺るる燈の見ゆ、海見えて漁火つく見ゆ。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
下見れば早や塔の沢、こちごちに湯の香煙りて、ちらちらと揺るる燈の見ゆ。
— ――長歌体詩篇二十一―― 『観想の時』 青空文庫
恭しくわれに銀器の香煙を勧むるに、弁舌滑らかにして甘脂の如し。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
貴殿の御武勇を以て此事を行ひ賜はらば一代の御栄燿、正に思ひのまゝなるべしと、言葉をつくして説き勧むるに、われ、香煙の芳香にや酔ひたりけむ。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
昨日吸ひたる香煙の芳ばしき味ひ、しきりになつかしくて堪へ難きまゝに、われにもあらず長崎の方へ踵を返して、飛ぶが如く足を早むるに、夢うつゝに物思ひ来りし道程なれば、心覚え更に無し。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
されども香煙のなつかしさは刻々に弥増り来りて今は心も狂はむばかり。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
作例 · 標準
寺院の境内には、線香の香煙が立ち込めていた。
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祈りを捧げる人々の上空には、かすかな香煙が漂う。
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香煙が立ち上る中、厳かな儀式が執り行われた。
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