感懐
かんかい
名詞
標準
impression
文例 · 用例
日比野博士夫人涌子の穏かな平凡な生涯に、この煤黒い小動物の奇怪な神秘性の裏付けのあることを、今更誰も気づかないのが、夫人自身のうら寂しくもなつかしい感懐であった。
— 岡本かの子 『蝙蝠』 青空文庫
十年振りにその町を訪れる機会が来たわけだと、私は多少の感懐を持つた。
— 織田作之助 『木の都』 青空文庫
私にとっては、その間に様々の思い出もあり、また自身の体験としての感懐も、あらわにそれと読者に気づかれ無いように、こっそり物語の奥底に流し込んで置いた事でもありますから、私一個人にとっては、之は、のちのちも愛着深い作品になるのではないかと思って居ります。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
私は少したべすぎたのに気がついて、そんなてれ隠しの感懐を述べた。
— 太宰治 『佐渡』 青空文庫
思わず、一言、私は批評めいた感懐を述べたくなるが、しかし、読者の鑑賞を、ただ一面に固定させる事を私は極度におそれる。
— 太宰治 『『井伏鱒二選集』後記』 青空文庫
日比野博士夫人涌子の穏かな平凡な生涯に、この煤黒い小動物の奇怪な神秘性の裏付けのあることを、今更誰も気づかないのが、夫人自身のうら寂しくもなつかしい感懐であつた。
— 岡本かの子 『蝙蝠』 青空文庫
ただいまの御賢明のお尋ねに依り、蓮胤日頃の感懐をまつすぐに申し述べまするが、蓮胤、世捨人とは言ひながらも、この名誉の慾を未だ全く捨て去る事が出来ずに居りまする。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
慎しまうと思ひながら、つい、下手な感懐を述べた。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
作例 · 標準
四半世紀ぶりに訪れた母校の校舎を眺め、言葉では言い尽くせぬ感懐に浸った。
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優勝カップを手にしたキャプテンは、これまでの苦労を振り返り深い感懐を込めて挨拶した。
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亡き父の遺品を整理していると、当時の苦労を偲ばせる文章を見つけ、感懐を新たにした。
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長年の研究が実を結んだ瞬間、教授の胸には熱い感懐が込み上げてきた。
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