環海
かんかい
名詞
標準
surrounding seas
文例 · 用例
そのおもな原因は日本が大陸の周縁であると同時にまた環海の島嶼であるという事実に帰することができるようである。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
何しろ……胸さきの苦しさに、ほとんど前後を忘じたが、あとで注意すると、環海ビルジング――帯暗|白堊、五階建の、ちょうど、昇って三階目、空に聳えた滑かに巨大なる巌を、みしと切組んだようで、芬と湿りを帯びた階段を、その上へなお攀上ろうとする廊下であった。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
が、開き直って、今晩は、環海ビルジングにおいて、そんじょその辺の芸妓連中、音曲のおさらいこれあり、頼まれました義理かたがた、ちょいと顔を見に参らねばなりませぬ。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
たちまち群集の波に捲かれると、大橋の橋杭に打衝るような円タクに、「――環海ビルジング」「――もう、ここかい――いや、御苦労でした――」 おやおや、会場は近かった。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
……ここに、信也氏のために、きつけの水を汲むべく、屋根の雪の天水桶を志して、環海ビルジングを上りつつある、つぶし餡のお妻が、さてもその後、黄粉か、胡麻か、いろが出来て、日光へ駆落ちした。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
於此乎斯道愛好者は宜しく冷静に熟慮反省して、決して人間界に於てこの声を発せず、換言すれば深山幽谷に去って哀猿悲鳥を共として吟ずるか、もしくは環海の孤島に退いて狂瀾怒濤に向って号叫すべしである。
— 夢野久作 『謡曲黒白談』 青空文庫
かくて僅に愛野の地峡を残して、四面環海の中に立つ雲仙の第一峰は、東西南北いずれに面しても、優れた風光に恵まれ、目に何等の遮ぎるものもなき雄大無比の鳥瞰的展望を展開する。
— 菊池幽芳 『雲仙岳』 青空文庫
象山|夙に航海術の、我が四面環海の邦に必要なるを看破し、その議を幕府に献じ、而して顧られず。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
作例 · 標準
環海に囲まれた島国である日本にとって、シーレーンの確保は国防の要である。
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豊かな環海の資源を守るため、周辺諸国との漁業協定の見直しが進められている。
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古地図を広げると、この都市が環海の利を活かした海上交易の拠点であったことがわかる。
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「うわあ、見て!この環海の輝き、まるでおとぎ話の世界みたいだね」
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