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鬼胎

きたい
名詞
1
標準
anxiety
文例 · 用例
その四 ちょうどその日は樽の代り目で、前の樽の口のと異った品ではあるが、同じ価の、同じ土地で出来た、しかも質は少し佳い位のものであるという酒店の挨拶を聞いて、もしや叱責の種子にはなるまいかと鬼胎を抱くこと大方ならず、かつまた塩文包みを手にするや否やそれでもって散々に源三を打った。
幸田露伴 雁坂越 青空文庫
「はじめてお眼にかかりますが、何か当方のことで、いらしてくださいましたそうで」「そうだ」「どんなことでしょうか、当方の家庭のことと申しますと」「すこし、へんなことだから、他の者に聞かしたくない、何人もこの室の中へ通さないようにしてもらいたいが」 あいての語気が強いので広栄は鬼胎を抱いた。
田中貢太郎 春心 青空文庫
彼らは常にその良人に見捨てられては、忽ち路頭に迷わんとの鬼胎を懐き、何でも噛り付きて離れまじとは勉むるなり。
福田英子 妾の半生涯 青空文庫
だから吾が妻ながら時折は薄気味の悪い事や、うるさい事もないではなかったが、しかし、そうした妻の頭の作用に就いて私が内心|些なからず鬼胎を抱いていた事は事実であった。
夢野久作 少女地獄 青空文庫
電車の中で私が抱き続けて来た一種異様な鬼胎観念は、やはり意外千万な意味で物の美事に的中していたのであった。
夢野久作 少女地獄 青空文庫
事に慣れたる老兵も、胸に鬼胎をかき抱き足に兵器を投げ棄ててわれとも知らず膝つきぬ、醜行のまのあたり、殉教僧のまのあたり。
上田敏 海潮音 青空文庫
又は胎児の骨ばかりが母胎内に残っていたり、或は固まり合った毛髪と、歯だけしか残っていないような所謂、鬼胎なるものが、時々発見されるのは、その胎児の夢が、何かの原因で停頓するか、又は急劇に発展したために、やり切なくなって断絶した残骸でなければならぬ。
夢野久作 ドグラ・マグラ 青空文庫
春、葡萄状鬼胎の手術を受けてから、ずっとよくなかった。
宮本百合子 一本の花 青空文庫
作例 · 標準
「あの男の笑顔の裏に何かあるんじゃないか」と、同僚たちは密かに鬼胎を抱いている。
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強引な手法で勢力を拡大する新興勢力に対し、保守層は隠しようのない鬼胎を覚えた。
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順調に見える交渉の最中、ふとした違和感から心のどこかに鬼胎が芽生え始めた。
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2
標準
(hydatidiform) mole
作例 · 標準
医師から「胞状鬼胎」の診断を下され、ショックで目の前が真っ暗になった。
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幸いにも早期発見だったため、鬼胎の除去手術は無事に終了した。
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鬼胎の治療後は、再発や続発症を防ぐために定期的な通院が欠かせない。
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