奇態
きたい
形容動詞名詞
標準
strange
文例 · 用例
先客の恰好が、どうもなんだか奇態に見えたからである。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
而して人気商売の、殊には此のプロパガンダの時代に於て、彼等が悪口の種にならぬ限りに於て自己独特の奇態を流行させようなどゝいふ野望を常に抱いてゐるといふこともよく分つてゐよう。
— ――飜弄さる 『蜻蛉』 青空文庫
円満な家庭中の人が、却って不円満な家庭の人から講釈いわるるような、奇態の事実がありはせまいか。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
古寺の隅に轉がつてるやうな地藏樣が、奇態に彼の庭では美しく藝術的なものに見えるのである。
— 萩原朔太郎 『所得人 室生犀星』 青空文庫
引返して村へ駈けこんで、安兵衛という人にたのみ、奇態なものを見つけたゆえ、参り呉れるよう、村中へ触れさせた。
— 太宰治 『地球図』 青空文庫
よごれて、かび臭く、それに奇態に派手な模様のものばかりで、とても、まともな人間の遺品とは思われないしろものばかりである。
— 太宰治 『服装に就いて』 青空文庫
焔は、みるみるまっくろになり、海の底で昆布の林がうごいているような奇態なものに見えた。
— 太宰治 『玩具』 青空文庫
暫時くして立還り「だから縁といふは奇態なものです。
— 國木田独歩 『空知川の岸辺』 青空文庫