肉親
にくしん
名詞頻度ランク #22633 · 青空 809 例
標準
blood relationship
文例 · 用例
平たい石には今もその忠魂塔の鉄銹があるやうに、雨が降ればその銹は流れ出すやうにさへ思ふのだが、それはその後もずつと肉親を離れて東京にゐる、孤独な男の妙な幻想だけのものなのかも知れぬ。
— ――世の母びと達に捧ぐ―― 『一つの境涯』 青空文庫
すべて貧困の家に育ち、肉親の愛にめぐまれずして家庭的、環境的の不遇に成長した人々は、そのかつて充たされなかった心の飢餓を、他の何物にも増して熱情するため、後に彼が一家の主人となった場合、その妻子の忠実な保護者となり、家庭を楽園化することに熱心である。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
ひと一人、くらい境遇に落ち込んだ場合、その肉親のうちの気の弱い者か、または、その友人のうちの口下手の者が、その責任を押しつけられ、犯しもせぬ罪を世人に謝し、なんとなく肩身のせまい思いをしているものである。
— 太宰治 『緒方氏を殺した者』 青空文庫
一日一日をいっぱいに生きている」 それ以後、私は馬場へ肉親のように馴れて甘えて、生れてはじめて友だちを得たような気さえしていた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
そして今彼に対面する者は、彼をただ友人とのみ考へるなら、余りに肉親的な彼の温柔性に辟易しなければならない破目になるだらう。
— 中原中也 『夭折した富永』 青空文庫
その後を祖母が耕二の顔に向つて「フンフンフン」といふ咬みつきたいやうな、肉親仲間以外では決してされることのない笑ひを一つかけた。
— 中原中也 『耕二のこと』 青空文庫
肉親は五月蠅い、と思はず、何時もながら痛感した。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
もう寧ろ肉親なんてものを呪ひたかつた。
— 中原中也 『分らないもの』 青空文庫
作例 · 標準
事故で唯一の肉親を亡くした彼は、悲しみに打ちひしがれながらも前を向こうとしていた。
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たとえ肉親であっても、お金の貸し借りに関しては一線を引くべきだと考えている。
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久しぶりに帰省して肉親の顔を見ると、言葉にしなくても心が安らぐのを感じた。
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