近親
きんしん
名詞名詞-の形容詞頻度ランク #19670 · 青空 321 例
標準
near relative
文例 · 用例
「大学を出たのに職がない」といふと、尠くも近親は周章てるが、「腕はあるのに職がない」なぞと云はうものなら、「威張つてやがらァ」ではないか。
— 中原中也 『心理的と個性的』 青空文庫
妹はかよわい身一つで病人の看護もせねばならず世話のやける姪をかかえて家内の用もせねばならず、見兼ねるような窮境を郷里に報じてやっても近親の者等は案外冷淡で、手紙ではいろいろ体の好い事を云って来ても誰一人上京して世話をするものはない。
— 寺田寅彦 『障子の落書』 青空文庫
わけても津村信夫は、私と同じくらゐの年配でもあり、その他にも理由はあつたが、とにかく私には非常な近親性を感じさせた。
— 太宰治 『郷愁』 青空文庫
その頃彼は休暇の度に近親の年上の誰かに淡い恋をしたが、次の休暇には前の恋人はすっかり忘れて、また別の初恋をするのであった。
— 寺田寅彦 『レーリー卿(Lord Rayleigh)』 青空文庫
ふつうの人間は臨終ちかくなると、おのれの兩のてのひらをまじまじと眺めたり、近親の瞳をぼんやり見あげてゐるものであるが、この老人は、たいてい眼をつぶつてゐた。
— 太宰治 『逆行』 青空文庫
老人の、ひとのよい無學ではあるが利巧な、若く美しい妻は、居並ぶ近親たちの手前、嫉妬でなく頬をあからめ、それから匙を握つたまま聲しのばせて泣いたといふ。
— 太宰治 『逆行』 青空文庫
傑作の幻影にだまくらかされ、永遠の美に魅せられ、浮かされ、たうたうひとりの近親はおろか、自分自身をさへ救ふことができなんだ。
— 太宰治 『逆行』 青空文庫
ふつうの人間は臨終ちかくなると、おのれの両のてのひらをまじまじと眺めたり、近親の瞳をぼんやり見あげているものであるが、この老人は、たいてい眼をつぶっていた。
— 太宰治 『逆行』 青空文庫