恐怖感
きょうふかん
名詞
標準
feeling of dread
文例 · 用例
そして、どうかすると眞夜中過ぎても眠れずに、變に冴えてしまつた頭の中で物語のあとをまた色々に辿りながら、時には隣に寢てゐる祖父母達を呼び起したくなるやうな恐怖感に襲はれたりするのであつた。
— 南部修太郎 『探偵小説の魅力』 青空文庫
イヤな事を、イヤと言えず、また、好きな事も、おずおずと盗むように、極めてにがく味い、そうして言い知れぬ恐怖感にもだえるのでした。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
それも、墓地の幽霊などに対する恐怖ではなく、神社の杉木立で白衣の御神体に逢った時に感ずるかも知れないような、四の五の言わさぬ古代の荒々しい恐怖感でした。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
處女詩集「月に吠える」は、純粹にイマヂスチツクのヴイジヨンに詩境し、これに或る生理的の恐怖感を本質した詩集であつたが、この「青猫」はそれと異なり、ポエヂイの本質が全く哀傷に出發して居る。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
一事が万事、なにかいつも自分がそのために人から非難せられ、仇敵視されているような、そういう恐怖感がいつも自分につきまとって居ります。
— 太宰治 『わが半生を語る』 青空文庫
極度の恐怖感は、たしかに、突風の如き情慾を巻き起させる。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
恐怖感と、情慾とは、もともと姉妹の間柄であるらしい。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
夢の中の虐待者に対する恐怖感迄が甦って来て彼を脅した。
— 幸福 『南島譚』 青空文庫