花柳界
かりゅうかい
名詞
標準
red-light district
文例 · 用例
けれども男が花々しく花柳界へ出入して居る間は、女の方でも油断はなく附きそつて居なければならなかつた。
— 平出修 『瘢痕』 青空文庫
…… 何しろ、中京の殖産工業から、名所、名物、花柳界一般、芝居、寄席、興行ものの状態視察。
— 泉鏡太郎 『火の用心の事』 青空文庫
「この花柳界は出先が遠くて、地理的に不利益だね。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
広い道路の前は、二千坪ばかりの空地で、見番がそれを買い取るまでは、この花柳界が許可されるずっと前からの、かなり大規模の印刷工場があり、教科書が刷られていた。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
客は遠くの花柳界からも来、歌舞伎役者や新派の女房などもここで顔が合い、堀留あたりの大問屋のお神などの常連もあるのだった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
伊香保はぼつぼつ避暑客の来はじめる時節で、ここは実業界の名士に、歌舞伎俳優や花柳界など、意気筋の客で、夏は旅館も別荘も一杯になり、夜は石の段々を登り降りする狭い街が、肩の擦れ合うほどの賑わいなのだが、銀子の行った時分には、まだそれほどでもなく部屋は空いていた。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
男は山下忠助と云う海産問屋の公子で、女はもと函館の花柳界で知られていた水野|米と云う常磐津の師匠であった。
— 田中貢太郎 『妖蛸』 青空文庫
花柳界に住む女らしい服装をしていました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
作例 · 標準
明治から大正にかけて、隅田川沿いの向島は東京屈指の花柳界として栄え、多くの文人墨客が風流を求めて足を運んだ。
「花柳界で身を立てるには、芸事の精進はもちろん、座持ちの良さや客の機微を察する力が何より大切です」とベテランの芸妓は語る。
かつての花柳界は、政財界の要人たちが密かに顔を合わせ、国政の行方を左右するような重要な交渉を行う「奥座敷」でもあった。
伝統の継承が難しくなる現代において、京都の五花街は花柳界の格式を守りつつ、SNSを活用した新たなファン層の開拓にも取り組んでいる。