置屋
おきや
名詞
標準
geisha house
文例 · 用例
鰻の寝床みたいな狭い路地だったけれど、しかしその辺は宗右衛門町の色町に近かったから、上町や長町あたりに多いいわゆる貧乏長屋ではなくて、路地の両側の家は、たとえば三味線の師匠の看板がかかっていたり、芝居の小道具づくりの家であったり、芸者の置屋であったり、また自前の芸者が母親と猫と三人(?
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
数年前予が今この文を草し居る書斎に対して住みいた芸妓置屋の女将が愛翫したカジカ蛙が合掌して死んだは信心の厚い至りと喋々して、茶碗の水ででも沾したものか、川穀(ズズダマ)大の涙を落し坊主に読経させて厚く葬ったと聞いた。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
それは船乗で、日本国中何処の港でも行つて見ないところはないと言ふぐらゐの人であつたが、そのB達の行かうとする港に、曾て世話をしてやつた妾が小林秀と言つて、置屋をしてゐる。
— 田山録弥 『島の唄』 青空文庫
別府竹枝、流川通、名残橋阯、カフヱーやおでんやや料亭や置屋があつまつてゐる。
— 種田山頭火 『道中記』 青空文庫
その娘は銀色の丈長と云ふのを掛けて、ひつつめの桃割れに結つてをりましたが、此島の置屋(芸者屋)の娘ででもあるのでせう、仲々はきはきとしたものごしで、何がをかしいのか、ラムネの栓を抜いてもくちにむせてばかりゐて、はかばかしくラムネの水が減つてゆきませんでした。
— 林芙美子 『小さい花』 青空文庫
由の思つたとほりやつぱり置屋の娘でありましたが、このひな子にはもうひとつ名前があつて、それがあんまり変な名前なので、由は何時も気の毒に思つてゐました。
— 林芙美子 『小さい花』 青空文庫
おほかた、父親達が置屋へ行つて呼び馴れてゐるその名前を、自分達も何時とはなく覚えて呼びよくなるのでせう、町の男の子達は、ひな子のもうひとつの名を呼んで、「おかめおかめ」と云つてをりました。
— 林芙美子 『小さい花』 青空文庫
おりくさんと云ふのは、島でも一流の置屋の主人で、女のくせに髪を男のやうに短く刈り上げ、筒袖の意気な着物に角帯を締めて、その帯には煙草入れなぞぶらさげ、二三人の若い女を連れては、角力取りのやうにのつしのつしと歩いてゐる女のひとでした。
— 林芙美子 『小さい花』 青空文庫
作例 · 標準
例句
ウィキペディア
置屋(おきや)は、日本で芸者や遊女を抱えている家のことで、料亭・待合・茶屋などの客の求めに応じて芸者や遊女を差し向ける。遊女屋とも。
出典: 置屋 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0