篤行
とっこう
名詞
標準
virtuous conduct
文例 · 用例
兼盛は卅六歌仙の一人であり、是忠親王の曾孫であり、父の篤行から平姓を賜わり、和漢の才もあった人ではあるが、従五位上|駿河守になっただけで終った余り世栄を享けなかった人であるから、年齢其他の関係から、女には疎まれたのかも知れない。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
僕かね、僕だってうんとあるのさ、けれども何分貧乏とひまがないから、篤行の君子を気取って描と首っ引きしているのだ。
— 夏目漱石 『僕の昔』 青空文庫
傑れた人物というものも出ないし、また異常なる篤行家とか奇行家というのもとんと出ない、また昔は名物の馬鹿が各村に存在して居たのだが、今はそういう馬鹿も全く影をひそめてしまった。
— 第一冊 植民地の巻 『百姓弥之助の話』 青空文庫
そればかりではない、父は娘が手習の手本にまで、貞操の美しいことや、献身の女の徳であることや、隣の人までも愛せよということや、それから勤勉、克己、倹約、誠実、篤行などの訓誨を書いて、それをお種に習わせたものであった。
— 島崎藤村 『家(上巻)』 青空文庫
爾来林藤次なるものあり、博学|篤行、我邦の古典に通じ、敬神家の矜式となり、また勤王の木鐸となる。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
高橋氏が、白老に住みついたから10年後の昭和7年には部落民全員が一堂に会し、時計をおくって氏の篤行に感謝した。
— ――アイヌの慈父・高橋房次―― 『生きているコタンの銅像』 青空文庫
こういう数知れない高橋氏の篤行が今は、人柄という言葉の中で、おだやかに呼吸しているのである。
— ――アイヌの慈父・高橋房次―― 『生きているコタンの銅像』 青空文庫
村役人はかねてから王の才能を尊敬して、篤行の士と言うことを知っていたので、西隣の父親のいうことは誣いごとだといって、杖で打たそうとした。
— 蒲松齢 『嬰寧』 青空文庫