苦痛
くつう
名詞頻度ランク #6192 · 青空 5800 例
標準
pain
文例 · 用例
人が百人の友の中から、その一人を失ふことは苦痛がすくない。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
私と緒方氏とは、ほんの二三度話合っただけの間柄ではあるが、よい小説家を、懸命に努力した人間を、よほどの不幸の場所に置いたまま、そのまま死なせてしまったという事実に就いて、かなりの苦痛を感じている。
— 太宰治 『緒方氏を殺した者』 青空文庫
苦痛の叫びは、いよいよ世の嘲笑の声を大にするだけであろうから、男は、あらゆる表情と言葉を殺して、そうして、ただ、いも虫のように、もそもそしていた。
— 太宰治 『答案落第』 青空文庫
それで麻酔なしでこの出血のはなはだしし手術を遂行したが、おしまいまでいっこうに平気で苦痛の顔色を示さなかった。
— 寺田寅彦 『追憶の医師達』 青空文庫
他人の軽微な苦痛を己が享楽の小杯に盛ろうとする不思議な心理がいかなる善良な人々の心の奥にも潜在することを教えてくれたようである。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
妹を引取って後も、郷里との交渉やら亡き人の後始末やらに忙殺されて、過ぎた苦痛を味わう事は勿論、妹や姪の行末などの事もゆるゆる考える程の暇はなかった。
— 寺田寅彦 『障子の落書』 青空文庫
それ以來、人間は、いかなる苦痛の妖魔に襲はれても、この「希望」に依つて、勇氣を得、困難に堪へ忍ぶ事が出來るやうになつたといふ。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
狸汁の運命から逃れて、やれ嬉しやと思ふ間もなく、ボウボウ山で意味も無い大火傷をして九死に一生を得、這ふやうにしてどうやらわが巣にたどりつき、口をゆがめて呻吟してゐると、こんどはその大火傷に唐辛子をべたべた塗られ、苦痛のあまり失神し、さて、それからいよいよ泥舟に乘せられ、河口湖底に沈むのである。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
作例 · 標準
病気で寝込んでいる間、彼は絶え間ない苦痛に耐えていた。
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手術後の傷口は、まだ鈍い苦痛を伴っていた。
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失恋の苦痛から立ち直るのに、長い時間がかかった。
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