花穂
かすい異読 かほ
名詞
標準
spike
文例 · 用例
上流秋立つけふをくちなはの、 沼面はるかに泳ぎ居て、水ぎぼうしはむらさきの、 花穂ひとしくつらねけり。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 五十篇』 青空文庫
黄色い、新しい花穂の聚団が暗い裂けた葉の陰影から噎せる如に光る。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
その上の、見よ、すこしばかりの空地には湿つた胡瓜と茄子の鄙びた新らしい臭が惶ただしい市街生活の哀愁に縺れる……汽笛が鳴る……四谷を出た汽車の Cadence が近づく……暮れ悩む官能の棕梠そのわかわかしい花穂の臭が暗みながら噎ぶ、歯痛の色の黄、沃土ホルムの黄、粉つぽい亢奮の黄。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
そのうへに八つ手のやはらかなる乳金色の花穂はこの小さなる領内にうらわかき貴公子の如く佇めり。
— 北原白秋 『春の暗示』 青空文庫
さうしてゴツホの燬きつくやうな太陽が東にあがり西に赤々とくるめき廻る真ん中で、この大麻栗の緑葉の渦巻に、真つ白な花穂がいくつもいくつも垂れ下つて、まるで妊娠になつた綿羊の綿毛のやうに重々しく咲き盛つた。
— 愛の詩集のはじめに 『愛の詩集』 青空文庫
牛島の藤は、樹齢千年、熊野の藤は、数百年と称えられ、その花穂の如きも、前者で最長九尺、後者で五尺余と聞いて、ただその花穂にのみ、心がおどる。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
ちよつと目には私によく肖てゐる癖に、私よりもずつと背が高く、節々に一対の葉つぱが向き合ひ、頭には白い二本の花穂が長く伸びて、しなしなと互に揺れ縺れしてゐる。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
ふたりしづか お前さんは私に較べると、ずつと小柄で、四つ葉の上に立つてゐる白い花穂も、たつた一本きりのやうだ。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
作例 · 標準
庭に植えたラベンダーが成長し、紫色の美しい花穂を伸ばしている。
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風に揺れるススキの花穂が、秋の訪れを感じさせる。
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この植物は、長く伸びた花穂に小さな花を密集させて咲かせるのが特徴だ。
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