機才
きさい
名詞
標準
shrewdness
文例 · 用例
葉子はしかし、いつでも手ぎわよくその場合場合をあやつって、それから甘い歓語を引き出すだけの機才を持ち合わしていたので、この一か月ほど見知らぬ人の間に立ちまじって、貧乏の屈辱を存分になめ尽くした木村は、見る見る温柔な葉子の言葉や表情に酔いしれるのだった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
かう云ふ軽捷な愛に件ふ機才がまたおれに必要になつて来たのが不思議だ。
— 與謝野寛 『素描』 青空文庫
俳優養成の国家的機関が何れの国にもあつて、そこでは、専門の技術教育を施すほかに、品位と機才に富むいはゆる「民衆の偶像」を作り出さうとしてゐるのである。
— 岸田國士 『演劇と政治』 青空文庫
世故にもたけ、そうとう機才のある連中ばかりだから、たいていのことならばそれぞれ至当の意見もあるべきところだが、この奇妙な出来事だけは、なんとも思惟の下しようもなく、ただただ合点のゆかぬことだと言いあうばかりだった。
— 蕃拉布 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
「ええ、よくわかりましたわ」 機才に富んだ、ふだんのキャラコさんのようでもない。
— ぬすびと 『キャラコさん』 青空文庫
仲介業者の先見と機才は、倦怠と夢想から湧きでる詩人の霊感によく似ていて、この仕事に憑かれると抜け目なく立ち廻ることだけが人生の味になり、それ以外のことはすべて色の褪せた花としか見えなくなる。
— 久生十蘭 『黄泉から』 青空文庫
ダライラマ八世は、機才に富む、聡明な、そのうえまれにみる健康の保持者で、廿三歳になるまで、病気らしい病気をしたのはそのときがはじめてだった。
— 久生十蘭 『新西遊記』 青空文庫
それは西班牙のナヴァールにあったことだが、日本にもそれに優るとも劣らぬ、機才に富んだ、人を人とも思わぬどっしりと肚のすわった女どもが大勢出て、それがまたこの時代の女流の特質でもあった。
— 久生十蘭 『うすゆき抄』 青空文庫
作例 · 標準
突然の機材トラブルで会場が騒然とする中、彼は持ち前の機才を働かせて即興のアドリブで観客を沸かせた。
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交渉が暗礁に乗り上げた際、彼女の機才に富んだ代案が突破口となり、無事に契約締結へと至った。
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「こういう絶体絶命のピンチの時こそ、彼のあの機才が頼りになるんだよね」
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